【著者;馬渕 睦夫】世界を操るグローバリズムの洗脳を解く〜日本人が知るべき「世界史の真実」
【情報】
著者:馬渕 睦夫
1946年京都大学を経て、68年に外務省入省、71年にケンブリッジ大学経済学部卒業。
駐ウクライナ兼モルドバ大使など歴任。2014年より吉備国際大学客員教授。
出版社:悟空出版
発行日:2015年12月1日
【要約】
教科書の「世界史」は間違いだらけである。何故なら一面的な見方をしているものがほとんどであり、致命的な欠点として金融の側面を軽視しているとからです。国家運営及び戦争をするには資金が必要であり、その資金の動きを見なければ世界の動きをとらえることはできない。
「世界史」は「国家」単位では動いていない。世界には国家意識を持たない人たちがいる。例えばアメリカにはユダヤ系アメリカ人、中国系アメリカ人、韓国系アメリカ人など様々な人がいるが、そういう人たちはアメリカの国益のために動いているとは限らない。ユダヤ系アメリカ人の場合、アメリカの国益よりも世界中に散らばったユダヤ人の同胞たちのことを最優先に考えている。そういう人たちが動かしているアメリカを国家単位で動いていると考えるのは思い込みに過ぎない。
国家意識を持たない国際主義者が世界史を動かしてきた。国際主義者はユダヤ発の思想であり、ユダヤ系の人が沢山います。ユダヤ民族は歴史の中で何度も他民族から迫害を受けてきた。ユダヤ民族は生き延びる為に二つの方法が必要だと考えた。一つは、迫害を受けないで生活していける自らの国家を作ること。それがイスラエルの建国に繋がっている。もう一つは、世界に分散して住むこと、これは「ディアスポラ」と呼ばれている。世界に散らばっていたらアメリカやイギリスという国家が滅んでもユダヤは生き残るということです。そして国際主義の思想の行き着いた先が、一つはk共産主義であり、もう一つは金融のグローバル化です。二つとも行き着く先は「独裁」です。共産主義は政府の上に自分たちが立つということ、金融のグローバル化は国家の上に「市場」というものを置こうとしたこと。
「国家」背後にいる勢力は何か。国家のことを考えていない国民がいる、金融と情報(メディア)の権力を使って国を操っている勢力がいる。これらを知らなければ時には国家の安全を損なう危険性がある。国際主義思想をしって、自国の文化(民族文化)との共存を目指すべき。
【感想】
一番衝撃的だったのは「国家」単位で歴史は動いていないということですね。「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように国家に従うことが当たり前と思っていたので、この考えを持てただけでもこの本を読んで良かったなと感じました。
その他イギリス、アメリカ、中国、ロシアと世界でもかなり主要な国の成り立ちや歴史的出来事を取り上げており、特にロシアとウクライナの関係は、当時ニュースを見ている時に「プーチンさん何がしたいんや?」って思ったのですが、この本を読んでなるほどと思いました。
私は歴史も金融も詳しくないのですが、しかし著者の馬渕さんは外務省に入り、元駐ウクライナ大使をされている地位も金も持っているお方です。そういう意味では今更とんでも本を出して自分の地位を下げる必要も無いので、かなり一定数の信頼はおけるのでは無いかなと思います。
もし気になるのであれば図書館においてるとこもありますので、是非読んでみることをお勧めします〜。